L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
運がいいのか悪いのか、瑞希が帰ってきた。

確かに言った通りカラフルな色合いの綿あめになっていた。

「逆にそれ美味しいの?」

何事も無かったかのように話すが、さっき先生が何を言いたがっていたか気にはなる。

でも相槌を打たないとおかしいと思われてしまう。

どんどん深読みをしていく私。おかしい事くらい自分でも知っている。

でもそうしないと…。貴女への気持ちが強くなってしまうから…。

「あゆむちゃんも一口食べる??」

ふと我に返った私の目の前には瑞希が持ってきた綿あめがあった。

「…色んな味が混ざってそうだからいいわ。」

「ひどっ!美味しいのに。」

「君が甘党なだけであって、普通の人には甘すぎると思うが…。」

「あら?あゆむさんは甘いの嫌い?」

「嫌いでは無いですが自ら好んで食べることは…。って先生何食べているんですか?」

「え?瑞希さんの綿あめ美味しそうだったから買っちゃったの笑。」

いつの間にか先生の右手には瑞希と同じ、カラフルな綿あめが握られていた。

「先生これ美味しいですよね!」

「ねっ!」

こいつら似た者同士だわ…。

でも文先生が甘党なのが分かったから大きな収穫。

瑞希がいないと分からなかった。

いつも助けて貰ってばっかだな。

今度何か奢ってあげよう。
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