L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
縁日のクラスを後にした私達は中庭にあるベンチに座り休憩をした。

秋の風から冬の風に変わってきた頃で少し寒い。

瑞希と先生が綿あめをクラスの中で食べきる事が出来ず相変わらずモグモグと頬張っている。

よくそんな甘いモノ食べれるよな…。隣に座っている先生を脚を組み頬杖をつきながら眺めた。

本当は食べながら色んな展示を見たいが、廊下を食べながら歩くのは品が無いからと言って禁止。これだからお堅い伝統校は…。

でも先生の綿あめを頬張る姿を見れているから幸せ。凄く可愛い。

寒さも忘れてしまう可愛さ。一緒にいるだけでポカポカとした気持ちになる。

あ、私の場合はポカポカを通り越して熱いの間違いか。

「あゆむさんどうしたん?なんかついてる??」

「あ、いや、よくそんな甘いモノ食べれるなとおもって。そんなんの何が美味しいんですか?」


天邪鬼は天邪鬼なりの会話のしかたがある。

ひねくれ者なのだからなにかと文句を言ってしまう。

でもね本当は違うんだ。純粋に…好きと言う気持ちだけで話したいのに天邪鬼な私が邪魔をする。

この私さえいなくなれば…。

「そんなんって、何気ひどいわよ?笑」

「だってそれ、砂糖を綿状にしただけですよ?」

「あゆむさん…。それ言ったら何も食べれなくなっちゃうよ。」

「事実は事実です。」

こんな私と話していて楽しいの分からない。けど先生は笑って聞いていてくれる。

これが教師としての優しさなのだろうか。
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