L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
「…でも、こうして話すの久しぶりね。」

渡り廊下を歩きながら先生はなんか懐かしそうに色とりどりに染まった木々を見ていた。

「そうですね。」

先生には1年生の時に担任をして貰っている。

中高一貫の高校に編入生として来た私に、先生はとても丁寧に色々教えてくれた。

その時は進路もそうだし、家庭のことも。色々聞いてくれた。

本当に頼りになる人だと実感したんだ。

先生の横顔を秋の涼しげな風がかすめていく。

紅葉によく映える人…。
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