L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
「で、なんなの?」

「あ、それ言う前に場所変えない?ちょっと他の人には聞かれたくないから。」

「もしかして先生の事?」

「さすが祥香ちゃん!物分かりが早い!」

「やっぱりな。お前さ、先生絡みになると顔が溶けてて気持ち悪くなるから直ぐ分かる。」

「祥香ちゃん?言いたい事は分かるけど言葉選んで?既に気持ち悪い2回言われて、藤咲真面目に心痛いから。」

「あぁ悪い悪い笑。」

本日も祥香の毒舌は絶好調です。

「じゃあ私のクラス来なよ。皆直ぐ帰るからそんなに人居ないし。」

「ホント?!助かるー!うちのクラス結構皆残るから話しづらいので有難い。」

じゃあまた後で。とお互い声を掛けて自分達の教室に戻る。

有難い事に、祥香の教室は私の教室の1つ上の階。だから同級生の行き来もさほど多くない。

まだまだ同性愛に偏見を持っている人が多いこの社会。

うかつに自分の恋愛話なんて出来ないのが現状。

別に自分は悪い事なんてして無いのに、どうしてこんなにもオドオドとしてい無いといけないのだろうか。

いつか普通に恋愛話を出来るようになれたらいいのにな。
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