L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
「…どういう事?」

冷静になり座る。

「先生大のお化け嫌いだよ。なんだ藤咲には言ってなかったの?」

「苦手とは聞いてたけど…。」

「それなのに連れ込んだのか?!」

キーン。とする声で言われたので耳が痛い。

「声大きい!人聞きの悪い事言わないでよ!ちゃんと許可取ったんだから。」

まぁ半ば強引だったとは思うけど。

「先生よく承諾してくれたな。」

「そんなに先生を誘うの難しいの…?」

「去年の文化祭でお化け屋敷に並んでた時、先生がたまたま通りかかったんだ。その時誘ったら“お誘いは有難いけど、お化け苦手だから入れないの。ごめんね。”って言われたからな。」

「え、ほんとに?」

「こんなんで嘘言ってどうする。」

「まぁそうだけど。」

「だから驚いでるんだよ。先生が藤咲の誘いに答えたのに。」

私だって驚いた。確かに強引に誘ったから無理をさしてしまったと思ったが、一応は確認をとった。

それで入ると言ったのは先生本人だ。

「無理してくれたのかな…。」

「ありえると言えばありえるな。だか藤咲の頼みだったから先生も断らなかったんじゃないのか?」

「祥香ちゃんさ瑞希と同じ事言うね。」

「野中さんも同じ事言ってたの?」

「うん。」

「やっぱり先生も藤咲の事満更でもないんじゃない笑?」

そんな事言われると期待するじゃん。
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