いつも、君と。

『ゆき?何の事?言ってくんなきゃ分かんないよ。』

あたしは動揺しながらも、自分を落ち着かせながらゆきに聞いた。



泣き過ぎて何を言ってるか分かんないゆきに代わって、今度はまいが口を開いた。

『ミホ達が教えてくれたんだよ。あやがうちらの悪口言ってるって。ありもしない事みんなに言いふらしてるって。』






あたしは、言葉を失った。




『そのせいでゆきは彼氏にフラレて、あたしとゆきはクラスのみんなからハブられたんだよ。』


何もしゃべらずうつむいてるあたしに向かって、まいが淡々と説明した。




その頃ゆきには、たくまという大好きな彼氏がいた。

ミホ達のグループはいつも、二人のラブラブな姿を見てはひそひそと、小声で陰口を言っていた。こないだあたしの悪口を言っていたのも、そいつらだった。



そんなミホ達から聞いた噂をゆきとまいが信じた事に、絶望した。

でも……、それも、しょうがなかったのかもしれない。
ミホ達は、2人の前ではいい子ぶってて、決して悪い子には見えない風だったから。






あたしは、すぐに否定した。



『あたしじゃないよ!あたしが言ったんじゃない!!』
『じゃぁ、誰が言ったんだよ!』


ゆきが怒鳴った。

『誰が言ったんだよ!言ってみろよ!!「二股女」とか、「あいつにとっての男は、貢いでくれるだけの存在。」とか。あたしがたくまに好かれるためにどれだけ努力したのか、あんた知ってんでしょ!!』


ゆきの迫力に、あたしは口をつぐんだ。





『………信じてたのに……。』




最後に、ゆきがつぶやいた。



2人は、教室に帰っていった。







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