いつも、君と。
家を出たときには、もう35分。
だ、ダメだった………。
いっつも30分ジャストにここを通る彼ならば、もうとっくにここを通り過ぎているだろう。
がっくりと肩を落としながら私はトボトボと学校に向かう。
「おっはよぉ☆文乃ぉ、どした?元気ないじゃん??」
ぽん、と肩を軽く叩かれて振り返るとそこには親友のあさみが。
よき相談相手で、よきライバル(成績においての)であるあさみとは、高校からの仲。
「あ…おはよぉ~……。」
「え、マジでどうした?!」
よっぽど私が落ち込んでいたのか、あさみはすごい勢いで聞いてきた。
「ん~~……。べつにぃ~~。」
「何?言ってみなって。」
「ん~~~~………。」
私は小さな声で学校に付くまでの間、あさみにあの人のことと今朝のことを話した。
「------はぁ!?なに、文乃、それで落ち込んでたの!!?」
「ウン…。」
「ははッ。なんだぁ、心配して損したぁ。」
な!?ちょ、ちょっとそれってひどくない?!こっちはメチャクチャ落ち込んでんのに!!
「…あれ?文乃、怒っちゃった??」
ブーッとむくれてる私のほっぺをつかんであさみはニッと笑って、一言。
「文乃に何の問題もなくって良かったってコト!」
……そういうことを言われては、怒りたくても怒れない。
やりきれない気持ちをぶつぶつと言葉に出しながら、つま先でたまたまそこにあった石ころを蹴って転がした。
それから、途中コンビニで買った私の朝ごはんをギャアギャアと騒ぎながらあさみと取り合って食べた。