いつも、君と。


その日、あたしはあの悪口のことを気にしながらも学校に行った。


『気にしない、気にしない……』
おまじないみたいに、何回もつぶやいた。


そして、



―――――ガラッ



『おはよーっ。』



いつも通りに挨拶をした。


なぜかゆきとまいがこっちに気付くと、ものすごい勢いで睨んできた。



『ぇ……。』

(なに……?)



訳が分からないまま、あたしはドアの前で固まっていた。



そしたら、急にまいがつかつかと早歩きでこっちに歩いてきた。
ゆきも後から続いてこっちに来た。



『あや、ちょっといい?』


まいが、低い声で聞いてきた。
あたしは黙って頷いた。




それから、あたし達は廊下で話をした。




先に口を開いたのはゆきだった。
ゆきは、こんな声聞いたことないってくらい低い声であたしに言った。



『あや、あたしらの事悪く言うんなら、友達のフリなんかやめてよ。』



『え?』


何の事か、さっぱり分からなかった。



『「え?」じゃねぇよ!ふざけんな!!あんたがあたしらの変な噂ながしたんだろーが!!!』



ゆきがすごい剣幕で、あたしの肩を突き飛ばして言った。
ゆきは泣いてた。



『あたしはあんたのせいで……ッ!!あんたのせいでたくまにフラレたのに……ッッ!!!』



泣きながらゆきは、あたしの制服を掴んで揺さぶった。


普段おとなしいゆきからは、想像出来ない姿だった。






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