アナタと洒落た人生を
一章 出逢いは唐突~安曇side~
星野とわかれ朝のSTを私は終えいつも通り昼休みを迎えた。特にいつもと変わらない昼休みを迎えるはずだったが今日はそうにはいかないようだった。理由は…
「山川さん、ですよね」
私は突然名前を呼ばれて弁当に運ばせていた箸を止めた
聞いたことない声だ…
割と高い感じの声質ではあるが女子っぽいわけではないある程度低い声。永遠(トワ)より透き通った声かもしれない。
そんな声が静かに耳に入り込み思わず顔を上げた。
「はい、山川ですけど…」
私の視界に即座に入ったのはクラスメートの男だった
彼の名前は喜田野剛(キタノツヨシ)
眼鏡をかけていて優しいクリーム色をしたフワフワした天パの髪をした小柄な男子だ。
喜田野が誰かと話すという光景自体をみたことがない私は驚きどころか何を言われるのかという恐怖心があるのが恥ずかしいが現実だ…
「阿久津さん…って知り合い…だよね?」
「阿久津?あぁ、佐知のこと?うん、それが?」
「俺彼女と中学からの知り合いなんだけど彼女に暇な時間がある日はいつ、とか聞いといてもらえないかな?」
はぁあ!?私が!?私はアンタのパシりじゃないんですけど!?!?
「面倒だから自分でやりなよね、私は絶対協力しない」
仲良くもない男子から突然頼み事をされた私はイライラしてきて弁当を持って教室を出た。違うところで食べよう…
私が2組の教室の前を通ろうとしたその時。
2組から誰かが出てきた、それは案の定想像通り私とタイミング良くぶつかった。私はぶつかった衝撃で体がフラついた
「…いったァ…」
「あ、わりぃ、大丈夫か?」
少し目を開け相手を見る。
優しい顔つきをした茶緑色の髪をした背の高い男だった。
廊下の窓からふんわりと風が吹き相手の髪が少し揺れていた。
「大丈夫、私こそごめん」
「あ、うん。ならいいけど」
「それじゃ、私は…」
私は片手をひらりとあげその場を去った。
⇨⇨⇨
結局お昼はいつもの三人メンバーで食べた。
全ての授業が終了し荷物を持って教室を出る準備をしていた。だが私を呼び止める声がクラスメートの女子からした。
「山川さーん!なんか来てるよ~?」
は?なんか来てる?とは…なんぞや…と顔をしかめた私は渋々呼ばれている廊下側に向かって歩いた。するとそこには昼休みに廊下でぶつかった男子だった。
「アンタ…」
「よぉ、少し付き合ってよ」
そのまま私はその男子と一緒に帰ることになった。
⇨⇨⇨
無言が続くこの帰り道。色々考えながら歩く私は一つずつ質問していこうと思った。そのために私が口を開き息を静かに吸い込もうとした時隣の男子から声が聞こえた
「俺とお前は何度か会ってるんだよ」
「……は?」
「覚えてないかな、村石龍斗(ムライシリュウト)って名前」
………ムライシリュウト、ムライシリュウト……どこかで聞いたことある名前だ…あ、そういえば中学一年の時、すごく仲良かったけどすぐ引っ越していった村石龍斗って奴がいたな…
「……龍斗」
「おう」
私がなんとなく小さく呟いた名前。それに静かに反応した相手の声。私は歩く足を止めた。私は相手よりいつの間にか前を歩いていた。
「………安曇」
私の背後から私の名前を優しく呼ぶ廊下でぶつかった男子。その声は優しい声色をしとっさに思い出されたのは中学一年の時一番仲良くてすぐに引っ越した男子の姿だった。私は黙って振り返る。風が声色のように優しく吹き髪が優しく撫でられた。相手の髪も優しく揺れ優しい目で私を見ていた
「…おかえり、村石」
「ただいま、安曇。待たせてごめん」
「別に待ってねーよ」
私と村石は笑いながら会話をした。中学の時より大人になってしまった私達は感動の再会なんていう場面でも素直に喜べなくなっていた。村石は肩を上下に揺らし笑い、一息つくと私をしっかり見て口を開いた。
「なぁ安曇、約束って覚えてる?」
「約束…」
"約束" その言葉を聞いた瞬間フラッシュバックした記憶。それは中学一年の村石が引っ越す寸前の彼からの約束
相手の優しい表情が思い出されたのと同時に思い出された約束。でもそれは正直思い出したくないものだった
「俺が引っ越す寸前にお前に告白したじゃん、でもお前無言だったし返事貰わないまま話が終わったから改めて言うよ。俺、まだお前のこと好きなんだ、付き合ってくれ」
やっぱり聞きたくなかった。恋愛に興味ない私が恋愛という道に足を踏み外し始める、この感じが堪らなく嫌だった。
「山川さん、ですよね」
私は突然名前を呼ばれて弁当に運ばせていた箸を止めた
聞いたことない声だ…
割と高い感じの声質ではあるが女子っぽいわけではないある程度低い声。永遠(トワ)より透き通った声かもしれない。
そんな声が静かに耳に入り込み思わず顔を上げた。
「はい、山川ですけど…」
私の視界に即座に入ったのはクラスメートの男だった
彼の名前は喜田野剛(キタノツヨシ)
眼鏡をかけていて優しいクリーム色をしたフワフワした天パの髪をした小柄な男子だ。
喜田野が誰かと話すという光景自体をみたことがない私は驚きどころか何を言われるのかという恐怖心があるのが恥ずかしいが現実だ…
「阿久津さん…って知り合い…だよね?」
「阿久津?あぁ、佐知のこと?うん、それが?」
「俺彼女と中学からの知り合いなんだけど彼女に暇な時間がある日はいつ、とか聞いといてもらえないかな?」
はぁあ!?私が!?私はアンタのパシりじゃないんですけど!?!?
「面倒だから自分でやりなよね、私は絶対協力しない」
仲良くもない男子から突然頼み事をされた私はイライラしてきて弁当を持って教室を出た。違うところで食べよう…
私が2組の教室の前を通ろうとしたその時。
2組から誰かが出てきた、それは案の定想像通り私とタイミング良くぶつかった。私はぶつかった衝撃で体がフラついた
「…いったァ…」
「あ、わりぃ、大丈夫か?」
少し目を開け相手を見る。
優しい顔つきをした茶緑色の髪をした背の高い男だった。
廊下の窓からふんわりと風が吹き相手の髪が少し揺れていた。
「大丈夫、私こそごめん」
「あ、うん。ならいいけど」
「それじゃ、私は…」
私は片手をひらりとあげその場を去った。
⇨⇨⇨
結局お昼はいつもの三人メンバーで食べた。
全ての授業が終了し荷物を持って教室を出る準備をしていた。だが私を呼び止める声がクラスメートの女子からした。
「山川さーん!なんか来てるよ~?」
は?なんか来てる?とは…なんぞや…と顔をしかめた私は渋々呼ばれている廊下側に向かって歩いた。するとそこには昼休みに廊下でぶつかった男子だった。
「アンタ…」
「よぉ、少し付き合ってよ」
そのまま私はその男子と一緒に帰ることになった。
⇨⇨⇨
無言が続くこの帰り道。色々考えながら歩く私は一つずつ質問していこうと思った。そのために私が口を開き息を静かに吸い込もうとした時隣の男子から声が聞こえた
「俺とお前は何度か会ってるんだよ」
「……は?」
「覚えてないかな、村石龍斗(ムライシリュウト)って名前」
………ムライシリュウト、ムライシリュウト……どこかで聞いたことある名前だ…あ、そういえば中学一年の時、すごく仲良かったけどすぐ引っ越していった村石龍斗って奴がいたな…
「……龍斗」
「おう」
私がなんとなく小さく呟いた名前。それに静かに反応した相手の声。私は歩く足を止めた。私は相手よりいつの間にか前を歩いていた。
「………安曇」
私の背後から私の名前を優しく呼ぶ廊下でぶつかった男子。その声は優しい声色をしとっさに思い出されたのは中学一年の時一番仲良くてすぐに引っ越した男子の姿だった。私は黙って振り返る。風が声色のように優しく吹き髪が優しく撫でられた。相手の髪も優しく揺れ優しい目で私を見ていた
「…おかえり、村石」
「ただいま、安曇。待たせてごめん」
「別に待ってねーよ」
私と村石は笑いながら会話をした。中学の時より大人になってしまった私達は感動の再会なんていう場面でも素直に喜べなくなっていた。村石は肩を上下に揺らし笑い、一息つくと私をしっかり見て口を開いた。
「なぁ安曇、約束って覚えてる?」
「約束…」
"約束" その言葉を聞いた瞬間フラッシュバックした記憶。それは中学一年の村石が引っ越す寸前の彼からの約束
相手の優しい表情が思い出されたのと同時に思い出された約束。でもそれは正直思い出したくないものだった
「俺が引っ越す寸前にお前に告白したじゃん、でもお前無言だったし返事貰わないまま話が終わったから改めて言うよ。俺、まだお前のこと好きなんだ、付き合ってくれ」
やっぱり聞きたくなかった。恋愛に興味ない私が恋愛という道に足を踏み外し始める、この感じが堪らなく嫌だった。