ソフレ
「幸花の腕の中って、気持ちイイね……」
透の震えがおさまると彼は眠そうな声でつぶやいて、そっと笑った。
「今夜は、ずっと……このままで……いてよ」
透のわがままなおねだりは、夢の中で言ってるみたい。
完全に透が眠ってしまったら。
ぎゅっと抱きしめているどころか、ベットから出て行ってしまっても同じだけど。
わたしは、うん、とうなづいて、透を抱きしめる手をほどかなかった。
だって、知ってる?
抱っこ、って言うのはさ。
抱き締めている方だって気持ちが良いんだよ?
立てば、わたしの背を越す大柄な透だけど、寝転がって、抱きしめれば、小さな子供と変わらない。
そんな絶妙な暖かさを胸に抱くのは、安心するんだ。
しかも、相手はとびきりキレイで信頼している『透』で、変に手を出そうとして来るアイツではない。
わたし、透なら、ずっと抱きしめていられそう。
気がつけば、彼は、すっかり安心して眠息をたてて、わたしもつられて眠くなる。
ふぁ~~っと出てくる大あくびを止めもせず、わたしは透の耳元でこっそりささやいた。
わたし達の世界は、とてももろく。
微妙なバランスの中にいるから、起きている透には『愛している』とは絶対言えないけれど。
「……ねぇ、透。知ってる?
わたし、あなたのコトが、本当はとても大好き、なんだよ?」
…………
透の震えがおさまると彼は眠そうな声でつぶやいて、そっと笑った。
「今夜は、ずっと……このままで……いてよ」
透のわがままなおねだりは、夢の中で言ってるみたい。
完全に透が眠ってしまったら。
ぎゅっと抱きしめているどころか、ベットから出て行ってしまっても同じだけど。
わたしは、うん、とうなづいて、透を抱きしめる手をほどかなかった。
だって、知ってる?
抱っこ、って言うのはさ。
抱き締めている方だって気持ちが良いんだよ?
立てば、わたしの背を越す大柄な透だけど、寝転がって、抱きしめれば、小さな子供と変わらない。
そんな絶妙な暖かさを胸に抱くのは、安心するんだ。
しかも、相手はとびきりキレイで信頼している『透』で、変に手を出そうとして来るアイツではない。
わたし、透なら、ずっと抱きしめていられそう。
気がつけば、彼は、すっかり安心して眠息をたてて、わたしもつられて眠くなる。
ふぁ~~っと出てくる大あくびを止めもせず、わたしは透の耳元でこっそりささやいた。
わたし達の世界は、とてももろく。
微妙なバランスの中にいるから、起きている透には『愛している』とは絶対言えないけれど。
「……ねぇ、透。知ってる?
わたし、あなたのコトが、本当はとても大好き、なんだよ?」
…………