夏恵

病室の前まで着くと、ちょうど須藤の奥さんが病室から出てきた。


『・・・あっどうも』


『あの・・・須藤さんは?』


『中です』


『大丈夫なんですか?』


『ええ・・・大丈夫です。ちょっと売店行ってきますね・・・言った通りでしょ?』


そう言って須藤の奥さんはエレベーターの方へ向かった。

おそらく泣いたのだろうか、須藤の奥さんの目は赤く瞼は腫れぼったく見えた。

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