夏恵

『・・・・トモさん、もしも間違いでなければ、私の妻の名はナツエではありません・・・ハルミです』


『・・・じゃぁ』


『いえ・・・あなたの言っているナツエと言う人物は間違いなく私の妻でしょう』


『・・・じゃぁ』


『ただし・・私の妻の名はハルミです、安西ハルミです』


僕は男の口から発せられる言葉を聞いても、思考を混乱させるだけで一向に理解出来なくなっていた。


マスターが運んできたコーヒーの香りが鼻を刺す。
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