夏恵

中年

僕と夏恵は土曜の昼までお互いの体を求め合い、更に土曜の夜から日曜の昼までお互いの快感の居場所確かめ合った。

土曜の昼から夜までの間は二人で少し街を歩いてみたりしてみたが、僕も夏恵も体の飢えを覚えていたのだろう。

夜ホテルに入ると二人無言で激しく確かめあった。

日曜の昼には帰る駅のホームで僕らは人目をはばからず長いキスをした。

自分の中に芽生えた感情に不思議な感じを覚える。

僕は今まで女性と手を繋いで歩く事にも抵抗すら覚えた。

それが知らない街であっても同じ事だった。

今の僕なら夏恵と人前で交わる事すらはばからないだろう。

僕は帰りの電車の中で夏恵と夏恵との間に芽生えた有り得ない感情に包まれながら自分の街へと帰った。

日曜の夜は疲れからか家に帰るなり死んだ様に眠った。