夏恵
車に戻り、暑さで中年の事を考える事を忘れる事が出来た。
ここには間違いなく海沿いの街で、海沿いの日差しが降り注いでいる。
海からは距離があるが、僕は海を感じる事が出来る。
風に潮が含まれているのだろうか間違いなく、ここは海沿いの街だ。
金曜に来た時は電車で来たが、今日は高速道路と呼ぶにはあまりにもお粗末な、途中一車線の高速道路を走り車で来た。
僕は海が見たくなり、少し車を走らせる事にした。
街中から海沿いに続く広い道路は車の往来も少なく爽快に走れた。
やがて見える遊泳海岸の標識に従い道を曲がる。
小さなトンネルに入る。開けていた窓から前にもまして潮の匂いが飛び込んでくる。
薄暗いトンネルを抜けると強い光と共に僕の目の前に海が広がった。
潮を含んだ湿った風を感じる。
だが決して不快な感じはしない、むしろ清々しい風を窓から吸い込む。
今僕はココにいる。
少し現実から離れる事が出来たかもしれない。
僕は今、空と海との境界線みたいに曖昧な場所にいる。
僕の胸ポケットで携帯が鳴る。
『今僕は留守です。』
ここには間違いなく海沿いの街で、海沿いの日差しが降り注いでいる。
海からは距離があるが、僕は海を感じる事が出来る。
風に潮が含まれているのだろうか間違いなく、ここは海沿いの街だ。
金曜に来た時は電車で来たが、今日は高速道路と呼ぶにはあまりにもお粗末な、途中一車線の高速道路を走り車で来た。
僕は海が見たくなり、少し車を走らせる事にした。
街中から海沿いに続く広い道路は車の往来も少なく爽快に走れた。
やがて見える遊泳海岸の標識に従い道を曲がる。
小さなトンネルに入る。開けていた窓から前にもまして潮の匂いが飛び込んでくる。
薄暗いトンネルを抜けると強い光と共に僕の目の前に海が広がった。
潮を含んだ湿った風を感じる。
だが決して不快な感じはしない、むしろ清々しい風を窓から吸い込む。
今僕はココにいる。
少し現実から離れる事が出来たかもしれない。
僕は今、空と海との境界線みたいに曖昧な場所にいる。
僕の胸ポケットで携帯が鳴る。
『今僕は留守です。』