深夜12時25分の束縛
「飲み過ぎてない? 大丈夫?」
「っえ、あ、うん。大丈夫だよ」
「そっか」
「うん……」
左隣りから聞こえた声に、ぎこちなく言葉を返す。
それきり、沈黙。
人ひとり分あけたその位置には、高校の時から付き合っている彼氏がいる。
もうすぐ付き合って6年になる、私の大好きな人。
だけど、長い付き合いのはずの私たちの間に流れる空気は、ちょっと重苦しい。
その原因は、繋がれていない私の右手と、彼の左手。
寒いと感じる原因。