歌花
「菫!また一緒のクラスだね!!良かったぁ」
桜の茶色の髪がふわりと揺れた。嬉しそうに駆け寄ってきて、クラス表のところまで私の手を引いた。
「本当だ。一緒だね」
私が微笑み返すと桜は笑顔で返してきた。
私達のクラスは1のC。玄関からは少し遠いが桜と一緒にという事が嬉しかった。
桜と私で廊下を歩いてクラスへ向かう。桜はいつもより早い足取りで一直線にクラスへと向かった。
「よし、入るよー」
ガラガラという音を立てて扉があく。廊下でも聞こえていた話し声が一層強く聞こえた。扉があいても皆は話に夢中でこちらを見なかった。
「あっ席はちょっと遠いね。けど仕方ないか!」
桜が真ん中あたりの席に向かって歩き出した。因みに私は一番後ろの窓側の席だった。
隣の人は聞いたことのない名前で少し不安になった。
「ねぇねぇ!菫……ちゃんだよね?」
前の席の髪の長い子がこちらを向いた。
ー製作中ー