OUT
01:プロローグ
「くそ…開けろ…開けろぉおお!!!」
叫んでも、叫んでも、声は外に聞こえない。
男はクッと口頭を下げて、必死にドアを叩いた。
「誰か!!!頼む!!!!ここから…ここから出してくれ!!!」
男が必死に叫んでも、やっぱり外からの反応はなかった。
その時だった。
――――ウィイイン……。
「!!?」
男の耳に、機械音が入ってきた。
男は焦り、すぐに辺りを見回した。
「…………ぁ……」
男が見た物は、…鋭い矢をこちらに向けている、戦車のような…大型の不気味な機械だった。
男の目から、何かを悟ったように涙が溢れた。
「……美久……竜…ごめんなぁー…」
涙のせいか、男の澄んだ瞳が、よりキラキラしている。
そして、とうとうその涙が床に数滴落ちた。
「……最後に顔…見たかった……」
―――――バシュ!!!!
部屋の真っ白の壁に、鮮やかな…赤い血しぶきが絵を描いた。