OUT


周りがよく見えない…


「真理和…真理和ぉお!!!!」


深美は見えない真理和に、叫び続ける。



―と、その時だ。




「わっ」

―ドン!!!


深美の肩を、誰かが掴んだ。

「―――!!?」


深美は急いで後ろを睨みつけた。


「びびった?」


…そこには、穴に落ちて行った、自分が探している人物、真理和本人が、立っていた。


「真理…真理…和…」


深美は眉をハの字にし、真理和を見つめていた。



「なんだよ!!そんなにびびってどうすんだ…」

―バチン!!!!



「馬鹿野郎!!!!聞こえてたら返事くらいしろよぉお!!!!」

深美が真理和にビンタを食らわした。

そして…

「…なんで泣いちゃってるの…」


深美の涙を見て、真理和は真剣な表情をした。


「死ね…!!!馬鹿真理和…」」

涙を拭くと、真理和を睨み付けた。

「深美…怪我とかしてない?」

深美は真理和の肩に拳を入れた。


「お前こそ、あんな穴に落ちたのに、大丈夫かよ!?」


真理和はニコッと笑うと、
「大丈夫だよ!てか見ろよ…深美…」
…と言った。

深美は指さす方向を見た。

「………あ…」

そこには…

六つのドアが並んでいた。






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