OUT

―――ギィイ…


「…………」


深美は部屋の中をじっと見ると、その部屋の殺風景さに違和感を感じた。



深美の後ろから、真理和が部屋を覗き込む。


「…うっあー…殺風景な部屋だこと…」



思わず真理和も部屋を見て口にだした。



部屋の中には、灰色の壁に、同じ色の机しかなかったからだ。




「…俺が入る…」


深美が真理和を後ろにやると、再び部屋に入っていく。


「…馬鹿…俺も行くよ!!!」


真理和は変な汗を額に浮かばせると、深美を真剣な表情で見た。


すると深美は、


「ばぁか!!!二人で行ったら罠からどうやって逃げるって言うんだよ?単細胞め!!!」


…と言った。


真理和はうっとした表情になる。


…たしかにそうだけど…


…でも…


…嫌な予感がするんだよ…





深美は真理和に、最高の笑顔を送った。


「そんな弱気でどうする?俺の家でマリパしたいんだろ?…そんな弱虫だから、いつまでもコピーのワルイージに負けるんだ。」




そう言うと、深美は部屋の中に入って行った。



< 104 / 334 >

この作品をシェア

pagetop