OUT
―――ギィイ…
「…………」
深美は部屋の中をじっと見ると、その部屋の殺風景さに違和感を感じた。
深美の後ろから、真理和が部屋を覗き込む。
「…うっあー…殺風景な部屋だこと…」
思わず真理和も部屋を見て口にだした。
部屋の中には、灰色の壁に、同じ色の机しかなかったからだ。
「…俺が入る…」
深美が真理和を後ろにやると、再び部屋に入っていく。
「…馬鹿…俺も行くよ!!!」
真理和は変な汗を額に浮かばせると、深美を真剣な表情で見た。
すると深美は、
「ばぁか!!!二人で行ったら罠からどうやって逃げるって言うんだよ?単細胞め!!!」
…と言った。
真理和はうっとした表情になる。
…たしかにそうだけど…
…でも…
…嫌な予感がするんだよ…
深美は真理和に、最高の笑顔を送った。
「そんな弱気でどうする?俺の家でマリパしたいんだろ?…そんな弱虫だから、いつまでもコピーのワルイージに負けるんだ。」
そう言うと、深美は部屋の中に入って行った。