OUT


「……み…え?」



真理和は一瞬だけ宙に浮き、すぐにドアの手前の廊下に転げ落ちた。


――ドサァ!!!!!


「……は…はぁ…」


深美がその場に崩れ落ちた。


「ちょ…深美ぅう!!!深美…!!!」


真理和は閉じそうな重いドアから、手を差し延べる。


深美はゆっくりと真理和の方を見る。


「俺は大丈夫だばーか。なんとか頭と心臓だけは守るよ」


真理和はすぐに、ドアノブに手をかけ、閉じないようにひっぱった。


だが、全然真理和の引くほうに戻ってくれない。


…あと、銃弾で風穴が通る左の手の平が、ちゃんと力がでない。



それでも真理和は必死に引っ張った。



「深美ぅう!!!はやくー!!うぅ…はやくぅう!!!」



涙が邪魔で、周りがぼやける。


深美は叫んだ。



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