OUT

「夢はなんで、このゲームに参加したんだ?」


竜は話を変えた。



夢はハッとした顔になり、思い出したように言った。



「好きな娘が…危なかったからなんだ」



竜は黙って聞いている。




「…その娘が…選ばれそうになってた…小さい体がたがた震わせて、大きい目に涙浮かばせて…黙っちゃいられなかったんだ…」


竜はそれを聞き終わると、夢の肩を優しく叩いた。


「…生きてここからでたら…その娘にビシッとキメてやれ!」




夢は目尻に涙を滲ませると、
「…うん…ビシッとキメてやるよ…」
…と呟いた。



「絶対…罠にかかっても諦めるんじゃねえぞ…諦めたら終わる…」



夢は竜の肩を優しく叩き返すと、


「お互い…だなそれ…」



…と言った。




竜は優しく笑いかえした。



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