OUT

「―――…!!」




竜の視界に入ったのは、


真っ赤な部屋だった。




「…………」



電気も、壁も、なにもかも赤。



見ているこっちが狂ってしまいそうだ。


「…気持ち悪いな…絶対違うじゃねえか…」



竜がそう呟き、中に入った。
夢はその場を動く事ができなかった。


その時だ。



―――プチン…



「!」



竜のシルバーアクセサリーが真っ赤な床に落ちた。



「………」



竜がネックレスを拾おうとした瞬間、



―キュウゥウン……



機械音が一瞬聞こえた。


「…竜!!!ここ絶対違う!!戻れ!!!」


夢が叫ぶ。


「あぁ…」


竜が夢の方を向いた瞬間の出来事だった。



―ゴロゴロゴロゴロゴロ!!!!!



――――ガコン!!!!!



部屋の奥にあった椅子が、竜の膝に勢いよくぶつかってきた。



「……!!!!」



竜の体が、椅子に落ちる。



―――キュウゥウン…



機械音がより大きく聞こえた。





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