OUT



体が、熱い。


いつも晩御飯にでてくる焼き魚も、この熱さを経験してるんだな


…なんて、意識が薄れていく中、思った。



そして、床に倒れた時、みんなが言う…走馬灯、という物を見た。













「光…!!」

「なんだよ…夢…」


懐かしい映像が頭の中を過ぎる。


その映像は、2年前に死んだ自分の双子の兄、光(ひかる)と病室で何かを話している、というもの。


「大丈夫なのかよ?光…」

双子なのに、自分が健康で、兄が持病を持っている。

……神様のバカヤロウ。



「ばーか!そんなんで俺が死ぬか!!」

「………へへ!そうだよな?」

「つか、まだまだやりたい事いっぱいあるし!!死んでたまるか!」


夢と同じく顔が、くしゃ、と笑顔になる。


「…光……」


「つかさぁ、人間…やっぱ形なんだし、いつかは壊れるんだよ。みんながびびってる死ぬって事だって、いつかは必ず訪れるんだ。」


「…………?」



「だから、俺、こんなんで死ぬんじゃなくて、普通に学校行って、好きな誰かと結婚して、いろんな所で自分なりに役にたつ人になって…」

「……光…」

「自分の子供を抱っこして…みんなにみとられて…光、て人間を終わりたいんだ!!」


あの時、俺…

光の言葉に一人感動してたっけ


『…自分なりに役にたつ人になって…』




…………光…



俺、間違ってないよな?



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