OUT
「ぅう…あぁあ…」
竜はボロボロと涙を零した。
俺のせいで…
俺のせいで…
自己嫌悪に陥りそうだ。
いままで我慢していた涙と恐怖感が、竜に襲い掛かる。
「…母さんの嘘つき…笑っても…幸せにならないじゃないか…!!!」
――キュウン……
罠が終わったと同時に、竜の腕を縛り付けていた鉄が、力をなくした。
竜の腕が、やっと開放された。
その腕で、顔を覆う。
そして、体を震わせて、泣いた。
「…ごめんなー…夢…ごめんなぁ…熱かったよな…苦しかったよなぁ…」
耳の中で、夢が焼かれる音がする。
――ゴォオ…
「…あぁあ…もう嫌だあ…なんなんだよ…どれだけ笑えばいいんだよぉ…」
…どれだけ笑えば
…この現実を幸せにかえれるの?
「…竜?」