OUT
次の瞬間、近くにいたネロの手をひっぱり、
「こいつに聞いたんです!!!!こいつ…前からこのゲームに参加したいって言ってたし…!!!」
…と叫んだのだ。
「………え?」
手を掴まれたネロは、目を大きくし、桐田を見た。
その予想外な行動に、永遠もア然と桐田を見た。
「…こぃ…こいつです!!」
ア然としているネロを余所に、続ける桐田。
もちろんネロはそんなの一言も言った事がない。
桐田は多分、ネロには友達がいないから、誰も味方にはならないだろう、とでも思ったのだろう。
なんてずる賢い奴なんだ。
「この少女が…!?少女が自主参加なんて…時代は変わるものだなー!!!」
…と軍人達が関心しだした。
もう後戻りできない、と言う感じだ。
ネロは目をすっとつむり、また、軍人を見た。
「はい、参加します」
桐田を始め、誰もが驚いた。
それは勿論、隣にいた永遠もだ。
…生きて帰れるとは言えない。
こんな卑劣な奴のとばっちりを喰らったネロは…
ただ死にに行く…
ようなものだ。
永遠は助かったと言わんばかりの表情をしている桐田に、心底怒りが沸いてきた。