OUT



永遠の中に、ある思い出が甦った。


「川里さん…また一人だな…」


ある日の昼休み、尚はお弁当も食べないでただ外を眺めているネロを見て、心配そうに遠くから見ていた。



「…だな…あの娘、友達いないもんな…」


永遠がこう呟くと、尚はキッと僕を見て、
「んなことないよ!!きっと仲のよかった友達…高校離れたんだよ!!」
…と説教した。


「…そっかなぁ…」
「そうだよ!!!俺、川里さん所行くよ!!!」


…と、尚は何故かいつも川里さん絡みになるとムキになっていた。


今朝だってそうだ。


川里さんを見つけた瞬間、本当に嬉しそうだった。

喋った後も

本当に嬉しそうだった。




―――まさか…

尚……川里さんが…


好きなのか?





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