OUT
一瞬、自分の見た物を理解できなかった。
「………永遠…!!」
向かい側の壁が、竜を罠に陥れた時のように、一部分が永遠に向かってのびようとしていた。
ズ…ズズ…
やっぱり……
……罠だ……
ネロは永遠と動き始めている壁を交互に見た。
体の震えが止まらない。
………永遠!!!
永遠がエレベーターの扉の前に立ち止まると、扉が自動で開いた。
「………………え…!!?」
その瞬間、永遠の後ろの壁が、物凄いスピードで、永遠に襲い掛かった。
「と…永遠ぁあ!!!!」
ネロは永遠の所まで行き、永遠を安全な廊下へ
…………突き飛ばした。
「!!?」
突然の事で、永遠はただ、突き飛ばされるまま、廊下に転げ落ちた。
――――――ドカ!!!!
「……ぅ…」
永遠の耳には、鈍い音と、ネロの小さい悲鳴だけが聞こえた。
――――ガシャアァン!!!