OUT
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「転入生の、川里ネロちゃんです、みんな!仲良くしてあげようね」


ネロは小学四年の頃、今住んでいる街に引っ越してきた。

プラチナブロンド…強いて言えば銀髪に、怖い程白い肌、真逆の真っ黒の瞳、整った顔には、誰もがくぎづけになった。



「…ネロちゃんって外国人だよね!」


「食べ物は何が好き?」


「肌白いねー」



周りの人達がネロが物珍しく、沢山、話し掛けてきた。


それでもネロは無言のまま。


人と接するのが苦手で、周りに人がいるなんてとんでもない。


緊張で、なにも喋れなくなる。



「…なんでネロちゃんは喋らないの?」


ある娘が、ネロに冷たく言い放った。

びっくりして、その娘を見る。


「ネロちゃんって、人としゃべるのが苦手なんだね」

その娘は次々とネロに言い放った。



そこにいるのが辛くなって、その場から離れた。


廊下で擦れ違う人達が、自分を見て、なにかを耳打ちしている。


私が銀髪だから?
目が真っ黒で怖いから?



―――この頃は、自分の容姿を気にしすぎて、被害妄想に陥ってしまっていた……。



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