OUT



――引っ越してから三ヶ月くらい経った頃。




相変わらず学校に慣れてなかったネロが、教室であるものを目にした。



血まみれの女の子が、教室の隅に立っていた。



「………?」


ネロはその場に駆け付けた。


女の子は泣きそうな目でネロを見る。




「…どこで怪我をしたの?…いますぐ保健室に行こう…?」


何回も話し掛けても、女の子は泣きそうな目でネロを見ているだけだ。



その時、ネロの隣の席の女の子が、ネロの肩をポンと叩いた。



…ネロは眉を寄せて、女の子を見た。



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