OUT

「川里さん!どうしたの?」


「……え…この娘が怪我してるから…保健室に…そうだ、連れていってあげてょ」



ネロが女の子を指差す。


「……え?…何言ってるの?」

隣の席の娘…相沢さんは、ネロを苦い表情で見る。


「…だから…この女の子を保健室にって…」


その瞬間、相沢さんは甲高い悲鳴をあげた。


クラスのみんなは一斉に二人を見た。



「………え?」


何?
なにいまの。


「川里さん…幽霊見えてる―――!!!!気味悪い!!」


ネロは目を丸くして、相沢さんを見た。


…相沢さんには、この女の子が見えてない……。




「……そか…」



貴女……


死んでたんだ…






それ以来、ネロの周りには誰も近づかなくなった。







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