OUT

「…永遠…いいよ…いいんだ…」


ネロは冷静さを失わず、たんたんと喋る。


「…いい訳ないじゃないか!はやく…あと2分しか……!!!」



永遠は涙をボロボロ流して、必死に扉をこじ開けようとする。


――――その瞬間…


――――バチン!!!!!



「っぎゃああ!!!」



「永遠!!!」


2分をきった瞬間、扉に高圧電流が流れた。


永遠の手の一部分が黒く焦げた。

「永遠……!!!」


ネロは眉を寄せて、永遠の名前を呼ぶ。


「……ネロ……!!」


永遠はまだ諦めようとはしなかった。


「はや…く…」



ネロの大きい瞳に、涙が溜まって視界がぼやけた。





本当は永遠と出たい。



永遠と…もっとお喋りしたい。



……もっと…生きたい…




けど…



ネロは涙を一粒だけ流し、永遠を見詰めた。




「……永遠…聞いてくれる……?」





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