OUT

「………と…わ…ぁ」



…本当は永遠と、もうちょっとお喋り……したかったなぁ……




………………


…………………。



…永遠と…生きて脱出したかった……





エレベーターの隣の時計が、あと30秒を切った。



永遠はなにも出来ず、ただネロを見て、謝りたおした。



――永遠…


―――永遠ぁ……



ネロは自然にでてくる大粒の涙を拭った。



―こんなに人を愛おしいって思ったの…本当に初めてだよ……。


本当は離れたくない…


ずっと一緒にいたいよ…



「永遠……」


ネロが永遠をよびかけた。



「………ネロ…?」



あと、10秒…



ネロは最高の笑顔を見せた。














「……大好きだよ…永遠……本当に…ありがとう……!!」





その瞬間、フェンスとネロの間に、鉄のドアが勢いよく下りてきた。





「ね……」





――――キュウゥウウウウ…………ン









――――――ボチャン………







永遠はその場で泣き崩れた。




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