OUT


「………」


永遠はさっきまで、ネロがずっと優しく握ってくれていた焦げた右手を見た。



涙が込み上げてくる。




「……ぅ…うぅ…」




その右手を、左手で優しく包み込むと、永遠は塞ぎこんだ。



"永遠…"







愛おしくて、


悲しくて、


苦しくて……。







永遠は生きる気力を無くしてしまった。




もう、死んでもいいと、思いはじめてきた。



「……ぅううあ…あぁあ…」


情けないくらい涙がでてしまう。






"永遠…絶対死なないでね…"






ネロ……。



もう無理だよ…僕……。



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