OUT





「………永遠?」











…………え?









永遠は声のしたほうを見た。





そこには、あの穴の中に入ってから、しばらく見てなかった……


……黒嶋真理和が息切れをして、立ち止まっていた。






「……ま…真理…真理和……」




永遠は呆然と、真理和を見た。




真理和はすぐに永遠の所まで来た。





「………………みんな…は……?」



真理和は真剣な顔で、永遠に聞いた。



「………………」


だが、永遠はなにも反応しなかった。


…………真理和は眉をハの字にし、涙を堪える。




「……そ……か……永遠だけ…か……」





真理和は目が死んでいる永遠の隣に座ると、ゆっくりと永遠に、穴で起こった事を話し始めた。




永遠は何も反応しない。


もう聞いているのかさえもわからない。



…だが真理和は、話す事をやめなかった。




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