OUT
真理和は涙を拭うと、永遠に無理矢理笑顔を見せた。
「…でな…深美が…出口をみつけたんだ…」
永遠の目は、また大きくなった。
「……出口?」
永遠はその単語をもう一度繰り返した。
真理和は首を縦に振った。
「…そ!この館の…出口を!!」
永遠は真理和が言ってる事が、一瞬では理解できなかった。
この
館の
出口…
「……う…そ…」
永遠は余りの驚きに、全身が震え出した。
真理和は深美が命と引き換えにとってきてくれた鍵を、永遠に渡した。
「……これ…」
永遠は鍵についている、メモを見た。
「……………」
涙さえも出なかった。
ただ、横にならんでいる、カタカナと漢字を呆然と見た。
「……なぁ、永遠?」
「……ん…?」
「…みんなの分も…生きよ…?」
「…真理和…」
「俺だって…深美を失った瞬間、死にたい…もう限界だって…思った。」
「…うん」
「けど、みんなは生きたいって言いながら死んでいったんだ。生きてる俺が諦めてどうするって…」
真理和はゆっくりと立つと、永遠に手をかした。
「…もう俺達は生きて帰れるんだ…みんなの分も…生きて帰るんだ」
永遠は凛々しくなった真理和を見ると、その手を握った。
「…うん…ありがと…真理和…」