OUT
尚は涙で顔がグシャグシャになっている。
ネロは異様な者を見る目で永遠をみている。
…いや、ネロだけでなく、クラスのみんながそうだ。
あのゲームに参加するのだから……
するとすぐに軍人はネロと永遠に手錠をかけ、車に案内した。
「………」
階段を下りている時も
廊下を歩いている時も
みんなの視線が……
痛かった…。
隣にいるネロは、真っ黒の瞳を下に向けたまま、一言も喋らなかった。
そして…そのまま、永遠達は運動場までたどり着いた。
運動場にでた瞬間、誰かが永遠の名前を叫んだ。
「永遠ぁああ!!!!絶対帰ってこいょお!!!死んだら…許さないからなぁ!!!」
永遠は上を見た。
………尚だ…。
目頭が熱くなる。
「…ありがとぉー!!!!尚ぉー!!!!」
だんだん、尚が小さくなっていった。
――必ず生きて帰るから。
あと…お前の好きな…この娘も…
任せとけ
―――この世で1番酷いゲームが始まろうとしていた。