OUT
「………深美…」
真っ赤な血を大量に流し、竜と同じく、寝ているように死んでいる深美が、奥の壁に横たわっていた。
一気に涙が溢れ出そうだったが、永遠は下を向き、深美の名前だけを呟いた。
…こんな所で泣いたらいけない…
…本当に泣きたいのは、真理和のはずだ。
永遠は涙を堪え、深美から目をそらした。
「……行こう…永遠…」
真理和は永遠に、悲しい笑顔を見せた。
「……も…笑わなくていいよ…?真理和?」
永遠は目に涙を溜めながら、真理和を見つめた。
「…………ぇ…」
「……僕はもういっぱい泣いた…いっぱい苦しい思いした…だから…もう苦しくないから…真理和…堪えないで?」
「……………」
真理和はすぐに永遠から目をそらした。
「……永遠ぁ…ごめ…やっぱ…辛いわぁ…」
真理和は冷たいコンクリートの上に、沢山涙を零した。
「……真理…和…」
「強がってたの…やっぱわかるよ…なぁ…はは」
真理和は泣きながら、ポケットから鍵を出した。