OUT

さっきの場所から離れ、また暗い道を歩く永遠達。



永遠の目からは、涙さえもでなかった。



なんなんだ。



なんなんだよ…



なんでまた連れて行かれるんだよ…



永遠は真理和をチラ見した。


さっき打たれた頬が、より赤みを増している。

目に色がない。



永遠はさっきの真理和を思い出した。



"みんなの分も…生きる"



そう言っていた、哀しくも、輝かしい真理和の目とは、真逆だった。



理想と現実が、真逆のように…。


永遠はやっと、この現実の酷さを知った。



「………真理和…」

そう呟いても、返事が返ってこない。

いや、多分聞こえてないんだ。


酷くやつれた真理和を見て、永遠の胸は裂かれた気持ちでいっぱいになる。



………真理和………。


名前を心の中で、呟く事しか、出来なかった。


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