OUT

煙が、はっきりと見えた。


「……いいかげんにしてください、工藤…貴方の態度…苛々します…」




永遠の目の前で、起こった事……


永遠が殴った軍人、…工藤が、銃を撃とうとした瞬間、隣の軍人が、工藤の足元を、自分の銃で撃った。


それにびっくりして、工藤が尻餅をついた。


それには勿論、永遠と真理和も驚いた。



「………さ…行きましょう?将軍も待ってる…」



永遠はそのすらっとした軍人を見た。



黒髪だらけの軍人を見てきたから、気がつかなかったが、その軍人は金髪だった。


まだ幼さが若干残る顔を、永遠は見つめた。




…………助けてくれた?



いいや、こいつも軍人、ただの気分屋なだけだろう。



工藤は、その軍人を睨みつけながらも、文句は言わなかった。




「………何止まってるんですか?…はやくしなさい…神崎、黒嶋…」





それからまた、四人は歩き出した。





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