OUT

すると、その二人の反応に苛ついたのか、工藤が言った。


「お前達、目の前にいる人が、誰かわかってるのか?将軍だぞ?」


工藤がまた永遠の近くに来た。


「………」


永遠は工藤を睨んだ。


「なんだその目は!!それが軍人に対する目かぁ!!?」



工藤がまた永遠に手をあげようとした。



すると、金髪の軍人がすぐに、工藤の後頭部に銃口を当てた。



「……工藤、本当に撃ちますよ…」



その軍人を、将軍という者が笑顔で止めた。



気持ち悪い笑顔だこと。



「…やめないかぁ千草ぁ…二人共怯えているだろう?」



千草と呼ばれた軍人が、将軍を見た。


そして、ゆっくりと銃を下ろした。


工藤は気持ち悪い顔を歪ませて、足を震わせながら、千草を見た。




もう誰が味方なのか、
誰が敵なのか、わからない状態だ。



いや、味方なんていないんだが……



「……さ…神崎くん、黒嶋くん…座りたまえ…」



将軍は気持ち悪い笑顔を永遠達に見せた。






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