OUT
永遠は千草を疑った事を、とても申し訳なく思った。
だが…
「何故…そこまでして…俺達に構うの…?千草さん…こんなことばれたら…殺されるかもしれないんですよ…?」
やっぱり、こんな言葉しかでてこなかった。
千草がまた、優しい笑顔を二人に見せた。
「……私も人間ですよ?感情くらいはあります…。ただ、貴方達を助けたい…そう思ったから実行しようと思ったんです」
涙が込み上げてきた。
久々に感じた人の暖かさが…
とても嬉しかった…。
永遠は涙を拭うと、千草に笑顔を見せた。
「ありがと…千草さん…俺…外に…出たい……」
真理和も、言う。
「…俺だって…外に出たい…!!千草さん…助けて……」
千草は泣きじゃくる二人の手を、檻の間から優しく握った。
「………信用してくれて…ありがとう…」
二人はしばらく、泣き続けた。