OUT
カチカチカチ…カチ…


指が勝手に動く。


自分でも、誰にかけてるのかがわからなくなった。



―トゥル…トゥルルルル…




永遠は震える手を、逆の手で懸命に抑えた。




でますように……
でますように……



緊張しすぎだろうか?

誰にかけたかわからない。

指が勝手に打っただけで、もう自分の中では誰の電話番号なのかもわからなくなった。



―――カチャ…



『もしもし…』



永遠は心臓が口から出そうになった。


でた………!!!



「もしもし…ぼ…僕…かんざ…神崎永遠…です…」



口が震えて、言葉が上手く喋れない。



電話の相手もさぞ困っているだろうな……



『……え…』



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