OUT
「だって…暇だったんだー」
真理和はまた眩しい笑顔を見せた。
そこで、永遠は真理和の異変にやっと気がついた。
上半身が包帯で巻かれていて、傷口が手当されていた。
「…真理和…手当…」
真理和は永遠の視線で、気がついたように話した。
「うん…船長さんにやってもらったんだ…!おかげで大分マシになった」
「……船長…?」
真理和は永遠の後を見て、笑った。
「…船長はあの人だよ!」
永遠は後を見た。
白人で、身長の高い…少しごつい老人が、二人を見て微笑んでいた。
「神崎トワくん…よく眠れタかい?」
微妙な片言で、永遠にしゃべりかけてきた。
「…はい…お蔭様で…」
それを聞くと、船長は優しく微笑んだ。
「アヤメから大体話を聞いた…君達ハ本当よく…悪夢から堪えタね…」
「え…菖蒲さん…知ってるんですか?」
「あぁ…アヤメは私ノ姪っ子ダ…」
それを聞くと、永遠は目を丸くして、船長を見た。
船長は続けた。
「…昨日…何年かぶりにアヤメから電話があってネ…」