OUT
「…ヨーロッパ…」
「諸…国…」
二人は先にある黒い点を眺めた。
…なんだか現実として受け止められない。
本当に…本当に…悪夢が終わる……
それは望んでいた事…
本当に望んでいた事…
だけど…
涙もでてこなきゃ…
感情も湧いてこない。
不思議な感情が、二人の中を駆け巡る。
「……永遠くん…真理和くん……」
船長は無反応な二人を心配して、優しく声をかけてくれた。
「…船長…さん……」
二人の肩を優しくもつと、優しく……千草を思いださせるような笑顔を見せた。
「…もう…君達は命を賭けなくてイイ…もう自由だヨ…」
二人はただただ、首を縦に振った。
船は叙情に、陸に近づいていく。
近づいていくたびに、二人の心境が複雑になっていった。