OUT
車を走らせて30分くらい経った。
「…………」
ずっと黙り込んでいる永遠を、真理和は心配そうに見る。
永遠は不安そうな表情じゃなく、本当の無表情だったから、真理和はなんだかとても不安になった。
「永遠?本当に大丈夫かよ?」
「…大丈夫…ちょっと疲れただけ…」
永遠の言葉を聞いても、何故か安心できない。
胸騒ぎだけが…する…。
「…船長さん!…あとどのくらいかかるんですか?」
その真理和をよそに、永遠は船長に問い掛ける。
「……あと数分でつく…真理和くんは多分…いや、必ず手術するが…決心はついたカ?」
真理和は急に話しを持ち掛けられ、とてもびっくりしたが、すぐに
「大丈夫です」
……と返した。
「…永遠くんは奇跡的に腕の傷だけだから…縫うくらいで済む…」
それを聞くと、永遠は軽く頷いた。
―――ブロォオオオオオン……
それから数分、車を真っ直ぐ走らせた。
そして…
永遠達が来たのは、大きな…母国にはないほどの大きさの病院…。
二人はア然と病院を見回した。
その二人の手を握って、船長は病院の中に入って行った。
――いつしか、ブライアンとトミーはいなかった。