OUT
「…いつも気味悪がられてたから…」
その言葉を聞くと、永遠の胸が痛んだ。
平然とした態度をとっていたけれど、やっぱり本人は傷ついてたんだ、と思うと…今まで気にかけなかったのを、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
しばらくの沈黙を破ったのは…やっぱり真理和だ。
「信じるよ!…なんて言ってるんだ?…そのネロちゃんの隣の人は!」
今度はネロが真理和をア然と見ている。
予想外なのだろう。
こんな反応してくれる人がいたのが。
「…黒嶋…くん…」
「…だってさぁ、ネロちゃん、表情真剣だしさ!」
ネロは真理和を見つめた後、呟くように語りだした。
「……決してでることなんかできない…」
「………!!」
みんなの顔が、強張った。
「…20人もいたのに…みんな死んだ…火の海に落ち、鉄に潰され…切り刻まれた…」
ネロが真理和だけを見て、言う。
その真理和の隣にいる深美の表情は濁っているようだった。
「…出口なんて…見つかりはしないんだ…」