OUT

真理和は目を丸くして、目の前にいる船長を見た。


「船長かぁ!永遠かと思った!…見てくださいよ!傷…治りました!…本当に…ありがとうございます…」


船長は無理矢理笑うと、真理和の近くの椅子に座った。



「…ところで…永遠は?…まだ治療してるんですか?」


無茶苦茶長いんですね!!



…真理和がそう続けようとした瞬間、船長が紙切れを真理和の手に置いた。


「…ん?」


真理和は紙と船長の顔を交互に見た後、
「…これは?」
…と言った。



ドクンドクンドクンドクン


なんだかとても胸騒ぎがする。


船長が、真理和の目を見て、言った。




「…永遠くんからダよ…」



その瞬間、真理和はすぐに紙をひらいた。



そして、自分とは真逆の、綺麗で少し角ばった字を一気に読み上げた。



「………ぅ…」



読み上げた瞬間、真理和は右腕についていた点滴を引っこ抜くと、部屋を出て行こうとした。


それを、船長が必死になって止めた。




「離して…お願いだから離してください!!!!」




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