OUT

「……向こうに誰かいる…あの人に聞いてみょうかな…」


ネロはすっとその場から立つと、パッとどこかに行こうとしたので、永遠がネロの腕を掴んだ。



「…どこに行くんだ?…ね…ネロ…」


「向こうのドアにいっぱい人がいるンだ…この娘より…何か知ってるハズだから…」


その時だった。


「……あと三分で…ゲーム開始だわ…川里さん、今はじっとしてようよ…?」



二人の会話の間に、桃が腕時計を見た後、ネロの方を向いた。


「…ほら…湯口さんが言う通り…あと三分でゲームが始まるんだよ…大人しくしとこ?」


ネロがふう…とため息をつくと、こう返した。



「……このままジッとしてて…ゲームが始まって、みんなすぐに行動する?…ドアを二時間開けなかったら死んじゃうんでしょう?…私行くょ…」



ネロが永遠の手をソッと外し、向こうに行こうとした。




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