OUT
「…黒嶋真理和の資料は見つかったか?」
海谷がそう言うと、小柄な軍人は、眉を寄せて、
「黒嶋真理和の生存記録は残ってません…あの後、すぐに死んだのでは?」
…と言った。
「そかそかぁ…工藤が腹に一発喰らわせたとか言ってたし…死んでるだろうな…もう、黒嶋真理和は調べなくていいよ」
海谷はそう言うと、部屋を出て行った。
部屋に残された軍人は、さっき海谷が捨てた、床に散らばっている資料をかき集めた。
―――――カサ…
「…………」
軍人は手を止め、一枚の資料を見つめた。
その資料には、曇った表情の青年がいた。
「………神崎…永遠……か」
軍人はそう呟いた後、資料を調え、部屋を出て行った。