OUT
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真っ黒の空の下。


空と同じ色の、少し長い髪を風に靡かせると、澄んだ焦げ茶色の瞳で、星を見た。

そして、ゆっくりと口を開いた。



「和銅くん」


そう呟き、一つの星を指さした。


「西園寺さん、湯口さん…吉田さん…」


綺麗で長い指で、星を一つ一つ指さして呟く。


「夢…」


風が、心地よく頬を撫でる。


「……深美…」


指が、また違う星をさす。


「………竜……」


そしてまた、その星の近くにあった星をさした。


「………ネロ……」



そう呟くと同時に、指をさすのをやめた。



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